「シックハウス」は、もともとは1976年にアメリカ・フィラデルフィアで問題となった「シックビルシンドローム」が語源となっています。これは、ホテルで米軍在郷軍人会を開催した際、原因不明の肺炎とみられる患者が続出し約30名もの死者が出たという大事故です。後に、冷却塔で繁殖したレジオネラ菌が空調を通じて部屋中に蔓延してしまったことによる被害とわかりました。しかし、この事故を引き起こした最も大きな原因は、換気が十分にできない建物の設計にあったことが明らかになっています。
シックハウスというと、有害な塗料や接着剤などがクローズアップされがちですが、現在は、建材は安全で当たり前の時代。ただ、人間の生活によって生まれる汚染物質(カビ・微生物など)までは取り除くことはできません。人の健康を守るには、十分な換気ができる住環境を整えることが必要です。また、風通しのよい家は、健康を守るだけでなく、光熱費の削減などさまざまなメリットを生み出します。