知っておきたい「マイホーム購入」の基本
住宅ローン編
−金利変動リスクを個人が取る覚悟はあるか−
(2007年7月26日 中日新聞)
ゼロ金利政策が解除され、昨年末から金利が少しずつ上がっています。マイホームは、きちんとした資金計画を立てて、計画的に長い期間、返済をしなければならない大きな買い物。その前に金利についての基本や住宅ローンの仕組みについて身に付けておきましょう。
住宅ローン金利はどう決まる?
 昨年、日本銀行が「ゼロ金利政策」を解除した影響から、住宅ローンも少しずつ上がる傾向にあります。 低金利に慣れてしまっているので、水準が3%前後と聞くと、高い印象がありますが、過去の金利から見れば、まだ低いと言えます。20年ほど前には8%前後だったこともあるので、上昇傾向が続く可能性が高くなっています。アメリカの長期金利が5月半ばから急上昇したのと歩調を合わせるように、日本の長期金利も1.9%台後半まで上昇。約1ヶ月前と比べて0.3%幅高い水準になりました。
住宅金利がいつ上がるかというのは、市場や景気を見据えて日銀が判断するもので、分かりません。6月に日銀は、景気が明るくなり始め、長期金利が上昇傾向している中、当面現在の金融政策を維持することを決めています。しかし長い目で見れば、現在よりも金利が上昇することはやむを得ないと言えます。
完済まで確定の「フラット35」って?
 最近人気の住宅ローンに、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携した長期固定金利ローン「フラット35」があります。最長35年の長期固定で金利の変動がなく、金利が2.7〜2.8%と低く設定されています。返済計画が立てやすく、保証料や繰り上げ返済手数料が不要なことも大きなメリットです。
 金融機関によって金利が違い、建設する住宅によっては、購入額の最低1割の頭金が必要な場合もあります。収入基準などがあるので注意してください。
住宅ローン減税制度は来年末まで
マイホームを2007年までに購入した人に適用される住宅ローン減税というのも大きなメリットです。
 ローン残高の1%が控除される仕組みで、2007年末までは最大で200万円、2008年までは160万円が控除されます。
 控除期間によって控除率が選べますが、住宅によって要件があります。
 初年度は源泉徴収票などを用意して確定申告をしなければなりませんが、会社員の場合は、2年目から年末調整で手続きができます。
固定vs変動 どっちが得なの?
 住宅ローンには、返し終わるまで半年ごとに、金利が上下する変動型と金利がずっと変わらない固定型があります。2〜20年など一定期間金利を固定し、その後固定か変動を決められる選択型というのもあります。変動型の場合、企業に短期で融資する基準金利に連動して金融機関が年2回、見直しします。固定型の場合は、多くのローンを獲得するために金利を低めにすることもあります。
 大手銀行の場合、35年間固定型の金利は3%前半で、変動型より0.5%ほど高いので、変動型のほうが一見お得に感じますが、将来の金利上昇を見込めば、今のうちに長期固定型で借りた方がお得と考える人が増えています。
 わずかな金利の違いでも長期ローンの場合には、返済総額には大きな差が出てきます。
 元利均等で3000万円を借り入れ、ボーナス支払いをせず、3%の年利で30年返済するとして、毎月の返済額は約12万円。総返済額は4553万円になります。4%になった場合、総返済額は5116万円、毎月14万円の返済が必要になります。金利の変動や選ぶローンによって返済総額に大きな違いが出てくるのが、分かります。
 住宅ローンを選ぶ場合には、金利が上がった場合でも、共働きをして収入が上がる見込みがあったり、教育費が必要になったりするなど、家計やライフサイクルのセットで考え、収支のバランスを図る必要があります。
 頭金のある、なしでも返済総額が大きく違ってきます。頭金の準備も含めて、しっかり購入計画を立てることが大切です。
「インフレ時代の賢い家選び」
住宅産業のコンサルタントが語る
 あこがれのマイホームですが、安心して満足できるマイホームを手に入れるには、どんな知識を備えておけばいいのでしょうか。住宅関連企業のコンサルタントを行うビルダーズシステム研究所の鵜澤泰功さんに住宅市場を襲うと予想される危機について寄稿してもらいました。
経済転換で住宅が変わる
 1991年のバブル崩壊から2005年の土地価格が、上昇局面に入るまでの14年間、私たちは長いデフレ経済の時代を生きてきた。  その間は、恒常的に物価は値下がりし、少しでも遅く買った人が、早く買った人よりもいつも得な思いをしてきた。特に住宅のような高額な商品はバブルのころ買った人とデフレ経済の底(1997〜2003)で買った人では、土地と建物で3000万円程度の住宅で2000万円以上の差が生じたことは、消費者にとって大変な不平等な思いをさせられた出来事である。
 住宅は株ほどの短期間での価格変動はないものの、住宅をいつ買うかは、個人の生活や老後の生活設計を考える上で、非常に重要なことであることはいうまでもない。その意味で住宅は、個人にとって非常に重要な金融商品である。
 私たちはあまりに長くデフレ経済を体験し続けたために、デフレからインフレに日本経済が転換したといっても、一体何が起きているのか、これから何が起こるのか容易に想像できないでいる。金利が上がり、土地や住宅を建設するための木材や建材、資材が急速に値上がりし始めているという状況を、消費者の肌感覚としてどのように受け止めていけばいいのだろうか。
予想される資源インフレ
 住宅はこれから値上がりし続けるのだろうか。「近い将来、15年前のバブル崩壊のように土地が値下がりすることはないだろうか」、「今買い急ぐことは本当に得なのだろうか」と、悩みは尽きないのが当然である。
 今、日本は間違いなく金利も資源も土地もインフレ時代を迎えていることは間違いない。しかもこのインフレは、世界的な好景気と資源インフレによる金余りによってもたらされていると言ってよい。中国やインドといった30億人の人工を擁する大国が年間10%近い経済成長を続けているのである。この資源インフレは短期間で収まりそうにない状況である。
 今回の連載企画は、世界的な経済トレンドに巻き込まれて、土地や資材や金利がまさに上昇していく局面にあって、日本のこれから住宅を買おうとする消費者に是非考えて頂きたいテーマを取り上げる。
 私はこの連載を通して「住宅を襲う5つのショック」を紹介する。今後数年間のうちに確実に起こる住宅購入者や住宅業界を襲う事柄を取り上げることで、長期的視点で本当に賢い家づくりとは何かをひも解いていければ幸いである。
鵜澤氏が唱える今後の連載テーマ
○住宅金融ショック(8月中旬掲載予定)
 住宅ローンの金利上昇「どう守る人生設計」・住宅業者の信頼不安増大、信頼できる住宅業者を見分けるポイント。

○法律改正ショック(9月掲載予定)
 建築基準法の改正で消費者に跳ね返る建築コストのアップはどうなるのか。美しく飽きのこない住宅を建設するための消費者の心得。
○ウッドショック&CO2ショック(10月掲載予定)
 世界的人口爆発による住宅資材高騰。CO2削減による省エネ住宅の義務化…
 消費者は「良い家」の定義を根本的に変える必要がある。
○団塊世代ショック(11月掲載予定)
 団塊世代が豊かな環境で人生を楽しむための新たな拠点づくりとは。
企画・製作/中日新聞岐阜支社広告部

住まい'S DEPO.が提供する住まいづくりのワンストップサービスは、平成18年度国土交通省「地域における中小・中堅建設業の新分野進出定着推進モデル構築支援事業」として選定されています。