
再販・活用・評価される住宅をワンストップサービスで実現へ
●住まい手が代わっても再販のしやすい住宅供給を
株式会社住まい’S DEPO.ねっと(岐阜県岐阜市、代表:小牧弘二氏)は、全国にある17の建材資材流通店のネットワーク組織。工務店のパートナーとして、設計支援や各種商品を供給することで工務店の事業展開を支援してきた。同ネットワーク下には、400以上の工務店も加盟している。
同社が定義する長期優良住宅とは、(1)住宅の住まい手が代わっても再販のしやすい住宅、(2)住宅の建築・供給・メンテナンス・維持管理・流通・金融にかかわるすべての事業者および住まい手が住宅履歴情報をきちんと蓄積・管理・活用できる住宅、(3)再販時には、住宅履歴情報等をもとに価値がきちんと評価され、ローン付けして流通できる住宅、の3点がポイント。
その実現に向け、可変性を重視した設計パッケージ「環の家」の提供のほか、ネットワークまたは提携企業により(2)、(3)を実現するワンストップサービスを提供。この(1)〜(3)のサービス全体がモデル事業に採択された。
●住み継がれる住宅をサポートできる体制づくり
同社の提供するサービスは、建材流通業を営む株式会社山一建材(岐阜県岐阜市、代表:小牧弘二氏)のビジネスモデルがおおもと。
山一建材では、建材や住宅設備、サッシュなどを工務店に流通させるとともに、改正が繰り返される建築基準法への対応等、さまざまに工務店を支援すべく、建設業や宅建業免許、設計事務所登録し、体制を整えてきた。
そうした支援の一環として、同社ではエンドユーザー向けに工務店の紹介や保険の提供、資金計画の相談なども実施してきたが、金融を提供できるようにならなければ、本当の意味での工務店支援が実現しないことに、あるとき気付く。
山一建材の代表者で住まい'S DEPO.ねっとの代表でもある小牧弘二氏は「山一建材がやってきたのは工務店支援のインフラ整備といえるものですが、いろいろ手がけているようでも、ワンストップにならなかったのは、金融が提供できなかったから。工務店を飛び越えて、施主に住宅ローン等の支援ができないと、本当の意味での工務店支援にならないのです。もし、金融を提供することができれば、建築、住宅ローン、保証、リフォームなど、住宅のあらゆる相談を請け負うワンストップサービスが実現できる。このことに気づいたとき、初めて住み継がれる住宅をサポートできる体制が見えたのです」(小牧氏)。
当時、金融規制緩和により、全国にはフラット35を取り扱うモーゲージバンクが次々に登場した。同氏はそうしたモーゲージバンクの一つ、日本モーゲージサービス株式会社に出資、その代理店となることで、金融面からも支援できる体制を構築したのである。
このビジネスモデルをもとに、同氏は建築資材流通店のネットワークを08年に立て上げたというわけだ。
「マーケットや工務店の規模にもよりますが、1つの工務店が1年間に施工できる住宅は20棟くらい。しかし、度重なる建築基準法改正をはじめ、住宅性能表示、瑕疵担保保険への対応、加えて施主の応対までとなると、到底工務店単独では対応しきれないのではないでしょうか。
また、もし工務店がそのすべてを手がければ、経営を圧迫してしまうことにもなりかねない。そこで、われわれ建材流通メーカーが施工以外の部分を担うことで、工務店の経営安定化を支援する。そうすれば、われわれも安心して建材を工務店に販売することができると考えたのです」(同氏)。
今後は日本モーゲージサービスの代理店同士のネットワークを通じて、共同購買などを実施。また、住宅の再販時には同社ネットワークから流通情報を発信し、住宅履歴情報にもとづいた価値を適正に評価、買主に対してリフォームの提案と住宅ローンの融資実行をすることで、流通する体制を整備していく考えだ。